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――今回、スプリット・シングルに入るのが、「カロン」と「虹色の肖像」と。この2曲を選んだのには、どんな理由があったんでしょうか。

陽介:とりあえず、4人になってから最初の正規の作品だから、1曲目の「カロン」は、自分たちを良く表してるというか、色々詰まってる曲かなというのがあったので、それを1曲目にして。でも結構、分かりにくい感じの曲も俺らには多いから、「虹色の肖像」というのは、元々はデモでちゃちゃっと2日ぐらいで作った曲だったんだけど、シンプルな8ビートの曲なので、なるべく違う表情が見せられたらと思って、それを入れたと。

――今回のレコーディングで録ったのは、その2曲と、ototoyで配信している「スローモーション」、「No.13」の4曲と。

空斗:そうですね。今回、初めて譲さんプロデュースでやるから、顔合わせというか音合わせというか、まずはこの4曲を録って、1回やってみましょうという。

陽介:手始めに、という感じで。また、この後に自分たちだけの単独音源用のレコーディングはしていく予定にはなっています。

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――資料には、ミニアルバムがリリース予定と書いてあるのですが、それは進んでいるんでしょうか?

陽介:あ、また、言ってるだけ、みたいな(笑)?

一同:(笑)

西村:何年後ですか、っていう(笑)

陽介:一応、今の予定でいうと、夏あたりに。

西村:(資料を見ながら)これ、(『pink shark & blue sky project』の)vol.5と6の発売っていうのも書いてますけど(笑)。

一同:(笑)

空斗:その(ミニアルバムまでの)間ぐらいに(笑)

西村:間なのか、年末なのか(笑) クリスマス・プレゼントあたりで(笑)

陽介:ちょっと、音楽の業界の形も変わってきてるし、DIYで臨機応変に色んなことをやれたらな、というのはあるので。そういう意味で、譲さんとやれて、音に対して耳がまた育ったというのはあるから。デモ音源にもそういうものを反映させていきたいなというのもあるので、vol.5、6も、出そうな気が(笑)

――そちらは乞うご期待ということで(笑) トレモロイドの曲の作り方って、どのような感じで進めていくんですか?

陽介:結構色んなパターンがあるんだけど、大体、俺が家でデモをリズムとか入れてざっと作ってきて、それを聴いて、メンバーでバンドに落とし込んでみて。最初のデモと、その段階で全くガラっと違う曲もあるし、結構それに近い感じで進む曲もあるし。たまに、スタジオでジャムってたのから作っていくのもあるかな。

――トレモロイドの音楽を聴いてると、個人的なイメージとしては、1つの絵を4人で一斉に書いていくというか、そういう曲の作り方のイメージを持っていて、そういう部分がフィッシュマンズに通じる部分でもあったりするのかなと。で、J-POPのヒットチャートの上位に載ってくるような凄くコマーシャルな音楽って、1つの建物を建てていくという感覚の作り方をしている曲が多いのかなと。Aメロという土台があって、Bメロで階段を作って、サビという最上階に向かって上がっていく、という。そういうのとは、トレモロイドの作り方は全然違うのかな、というイメージを持っていたんですけれども。

陽介:確かに、そうかも知れないですね。ただ、その建物を作るやり方というのは、凄く伝わりやすいものだから、それが選ばれるんだと思うし、それはそれで一つの答えだと思う。元々俺は結構、インディーの音楽が好きなところがあるから。本当にやりたいように作っちゃうと、サビが無かったりとか。

空斗:今の話でいうと、作ってきたデモを聴いてみて、「それで、この曲の最上階はどこなんですか?」みたいな(笑)

陽介:一番つらいのが、ここがサビだなと思って曲作って聴かすと、「で、ここBメロじゃん。で、サビはまだ?」みたいな(笑) 勘違いされる。これ、サビと聴こえないんだ、みたいな。

空斗:一時期、シングル曲を作って来い、みたいな時期があって、だから、当然のごとくそういうものを作ってくると思ってると、全部フワッとしたような曲だったり(笑)

陽介:自分が曲を聴く時って、Aメロの最初の感じとかよく聴いたりしてて、サビってあんまり聴いてなかったんですよ。そういう自分の聴き方もあるのかも知れない。なんか、Aメロで燃え尽きちゃう(笑)

talk06.jpg西村:昔の小室サウンドっていうのは、頭からサビだったり、サビが2回あったりとか(笑) いつでもどこでも盛り上がれるという。(トレモロイドは)全然逆パターンというか。

――トレモロイドの曲って、いい意味で平面的というか、Aメロとかサビとか関係無くどこからでも楽しめるから、そこがとてもいいところだと僕は思います。で、凄くストレートな質問なんですけど、トレモロイドの皆さんは、売れたいと思って音楽をやってるんでしょうか(笑)。それとも、多くの人に伝えたいことがあって音楽をやっているのか。

空斗:それは、ヴォーカルの意見として聞いときたい(笑)

陽介:なんか、空斗へのプレゼンみたいになってきてる(笑)

西村:リーダーはいるの?

空斗:表向きにはリーダーは特にいないですね。

陽介:外的なところは空斗に任して、音楽とかそういうことは、俺がやって、という。

空斗:バンドイメージについては、陽介君に、っていう。

西村:認知はされたいっていう気持ちはあるから、ライブをやるんだろうな、と。俺はライブハウスの人間だから、そこが無いと、というのはあるけど。じゃあ、ゆずみたいになりたいのか、という。

空斗:ゆずみたいになったら生活出来るのか、というのはあるけど(笑)

陽介:全部音楽で(食っていく)っていうのは今の時代難しいかも知れないけど、出来るだけその比率を上げていきたいというか。別に俺は会社員とかになれなくていいから。

空斗:ほんとね、(バンドを)続けていきたい、というのは一番。

陽介:とにかく、この4人で続けていきたい、というのは強く思ってて。そのために何が必要かというと、バンドが上手く回っていくこと。自分たちで出来ることは出来るだけ自分たちでやりながら。外国のミュージシャンは結構そういう風にしてるな、というのはあって。必要なものはギブ&テイクで助けてもらえるようにしつつ。それは現実的な話で。音楽の理想としては、もっと自分の頭の中にあるものを形にして、いい音楽にして人に伝えるようにしたい、という気持ちは当然にしてあって。それをどのくらい突き詰めてやっていけるのかっていうこと。やっぱり多くの人に知られたい、というのはある。そこで、自分たちがやりたいと思うものが、自分たちの手を離れすぎないようにしないと、というのは注意しながら。

空斗:売れたいけど、どメジャー的な感じになりたいというよりは、皆が働いているのと同じぐらいのことが、普通に音楽をやりながら出来てればいいっていうのが、目の前のことで。売れればいいというものでも無いというか。

西村:駄目だ! 凄い売れて、ミュージックステーションに出て、ティッシュをいっぱいもらって来るんだ(笑)! FEVERの楽屋に、ミュージックステーションのティッシュがすげえあるよー、みたいな(笑) タモさんにイジられるんだ(笑)!

一同:(笑)

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