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――西村さん、今回の音源を聴いてみていかがでしたか?

西村:例えば、フィッシュマンズを好きな人が、今のトレモロイドを観たら、凄くいい意味で「フィッシュマンズみたいだな」と思うんじゃないかなと。もうちょっとポップ感があったり、もちろんトレモロイドの世界観もあるけど、CDを聴いて、いい意味でその感じが出ていて、プロデューサーの起用がばっちりはまってるし。今、フィッシュマンズやPolarisを熱望する人もいるだろうから、タイミング的にもいい流れが作れるんじゃないかなと。

live05.jpg空斗:そういう広がる話題性もある中で、モノが良ければ、フィッシュマンズ、Polarisっていう概念に囚われなくても、いいと思ってくれる人がいるかも知れないし。それで1人でも多くの人に聴いてもらえれば。

陽介:最初のきっかけになればと。

――今回の音源では、サウンドが変わったという部分が結構大きいかなと思ったのですが。

陽介:ここ1、2年ぐらいの自分たちの好みが、昔はもう少しごちゃっとした、カラフルなことを音楽でやりたかったんだけど、だんだん、もっとシンプルでミニマルなものを好むようになってて。そうすると、グルーヴだったりとかも、少ない音でやりたいことを出そうとすると、やっぱりそこに対しての意識だったり技術だったりとか、一音一音が今までよりももっと大切になってくるという感じで。譲さんは、それを凄く捉えようと見ている人だと思うから。そういう意味では、自分たちが追いかけたい音の粒みたいな物を、ここでこうやって見つけるんだよ、というのを提示してくれたという意味で、今回、譲さんとで一緒にやれて良かったなと。そういうのを今までないがしろにし過ぎていた部分があったかも知れなくて。結構みんな、4人が4人、好き勝手な解釈でやろうとしていたものを、もう1度シンプルな1つのお皿の上に戻して、そこからまた必要なものを色を付けていこうという。その色を付ける作業は、これから先どんどんやっていかなくちゃいけないことなのかなと。今は過渡期というか。

――今回は、ベーシストの柏原さんがプロデューサーということで、ベースで苦労した部分などはありましたか?

空斗:ベースはもう、自分が今までないがしろにしていたところを、やっぱりちゃんとやらないといけないんだなっていう(笑)

陽介:4年間溜めてた宿題を。

空斗:そうそう。4年間、課題はちゃんと置いてあったんだけど。

陽介:やんなくても何とかなると思ってたというか。

空斗:答えが何となく自分で書けてしまっていた、という感じの(笑)

西村:答えが無いのが答えなんだと思っていたら、譲さんが、答えがあるのを知っていた、みたいな(笑)

空斗:そうそう(笑) 最初は、あっさり終えられるのかな、と思ってて。「すぐ録れますよ」ぐらいに言ってたのに、結局2ヶ月ぐらい弾き続けた、っていう(笑)

陽介:元々、空斗は前に出る感じのプレイヤーで、ギタリスト的な発想のベーシストだったんです。で、俺と郁太(ictarz)のギターとキーボードも、結構飛び道具的なことばっかりやってて。で、ベースがギターみたいなことを弾いてると、気づいたら、ドラムとヴォーカルが孤立してた、みたいなことが良く今まであって。

空斗:それがトレモロイドのサウンドでもあったんだろうけど、1回基礎を見つめ直して、それを消化してからまた見せれれば、という。

陽介:そこにはいつでも戻れるから。

空斗:気を抜いたらすぐ戻っちゃうっていう(笑) ほんと、今回学んだことを反復しつつ、やっていかないと、っていう。(しみじみと)なんかね......、逃げようかと思ったからね(笑)

一同:(笑)live06.jpg

西村:逃げてたんじゃないの、っていう噂が(笑) 「最近、空斗君、仕事に来ないけど、レコーディングしてるんじゃなくて、どっか逃げてんじゃないの?」っていう(笑)

一同:(笑)

陽介:ああ、俺ギタリストで良かった、って思って(笑)

空斗:ほんとね、全員にそれぞれのプレイヤーのプロデューサーを付けたいと思ったぐらいで(笑)

西村:今回、プロデューサーが違う人だったり、例えば空中ループとテレコだったりしたら、全然違う工程になってたんじゃないかなと。

空斗:多分、全然違うと思いますけどね。

陽介:どうだろう、最終的な仕上げ方っていうのはかなり違うような気がするけど、そこに行くまで(の工程)は、比較的同じだったんじゃないかなと。譲さんは、よりグルーヴに意識のある人で、実際に自分がベーシストだから、その手法を知っているっていうのはあるけれども。やっぱりある程度、音楽の知識や能力がある人が見たら、俺らはしっちゃかめっちゃかなことをやってたっていうのは、例えばオオヤさん(※今回の空中ループのプロデューサー、Polarisのオオヤユウスケ氏)であっても思ったと思うし。

西村:今回これがスプリット・シングルだから、空中ループがどう出るのかとか、どういう風になってるのか、みたいなのは気になったりした?

空斗:うーん、気にはなります。俺は仲がいいんで、連絡は良く取るんですけど。

西村:愚痴ばっかだったんじゃないの(笑)? もう、逃げたいんだけど、みたいな(笑)  「今回、スプリット一緒に出せないかも知れない」みたいな(笑)

一同:(笑)


陽介:確かに、気にはなって。ある瞬間の情景なんかを想起させるようなところでは、似たところがあるバンドだなあと思うんだけど、そのやり方で違うところがあったりするから。空中ループはそのイメージを音にして広げていくというか。ストリングスの音をいっぱい使ったりとか、結構手法とか引き出しが多くて。(トレモロイドは)そういうところとは別のシンプルなやり方で、少しの音を上手く言葉に絡めて出来たら、違いがどっちも楽しめていいんじゃないかなというか。そういうところが、選曲だとかアレンジの部分で、(違いを)気にはしてやったところなのかも知れないし。

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