Let's Talk about New Fever vol.3_003
西村:そっちは15年じゃないですか(笑)。昔からお2人を見てますけど、たとえ電源が落ちても、カッコいいことをしてくれるっていうか、ピンチをチャンスにできるバンド力がある気がして。
TDC:最初の頃はすごくトラブルが多かったよね。太一(古川"TA-1"太一。フロンティアのライブサポートメンバー)のシンベ(シンセベース)の音が出ないとか。
TGMX:だから、そのための練習もしてた。「もし打楽器しか音が出なくなったら、こうやってつなごう」とか。電気がつながらないからって30分間ぼーっとしてるのはお客さんに失礼だし。
――:トラブル対策をやってるバンドってなかなか聞かないですね。
TGMX:今はローディとかスタッフをつけてやってるけど、前はみんな若かったから適当だったんだよ。アンプ飛んだらみんなでただ首かしげたり(笑)。そういうことがあって余計に「これは自分らでちゃんとやらないとダメだな」って思ったんだよね。
西村:スキャフルもそうだけど、フロンティアも「音楽が楽しくてしょうがない」っていう思いが伝わってくるんですよね。フロンティアをやり始めた頃はちょっと音楽性が難しくなった印象があったんですけど、ここ何年かで楽しいことを追求する姿勢が前面に出てる気がする。
TGMX:スキャフルとは違うことをやろうと思ってたから難しくしたかったっていうのがあったんですよね。でも、それじゃああまり伝わらないなっていうことに気づいて、ライブをアッパーに見せたり、そういう方向に見せ方が変わっていったんですよ。
TDC:最近、自分たちの昔の音源を聴く機会があったんですけど、曲がごちゃごちゃしてて全然わかんないんですよ。「これ、どういうことなんだろう?」っていうのが多い。「このコードは合ってるのか?」とか、いろいろと再発見できました(笑)。
――:西村さんが2人のことを長年気にかけている理由はなんですか?
西村:面白いことを追求しようという姿勢が2人には常にあって、それがまたバンドマンとは違う視点だったりするんですよ。もちろん、完全にバンドマンなんだけど、ミュージックラバーでもあるし、ちょっと不思議な2人。ライブでも毎回何か面白いことを仕込んでくるし。
TGMX:僕らはさておき、面白いことを考えてる人たちって今はすごくいっぱいいるじゃないですか。でも、今は世の中的にできないことが多くなっちゃって。ハードコアのライブだとドラムセットとかをステージから投げたりするけど、そういうのは今もあるのかなあ?
西村:FEVERでのライブで刺激的だったのはmilkcowですね。
TGMX&TDC:ああ~!
西村:マーシャルのボトムが飛んできたり。あと、ちょっと困ったのは火ですね。FEVERは天井が高くないので、それでちょっと面白いことになったりして。
TGMX:何か燃えたんですか?
西村:フロアでボーカルのツルさんが火を吹いたら、天井のエアコンフィルターがブワッと(笑)。
TGMX:うわぁ、ヤバい! それはヤバい!(笑)
西村:その後、何かが燃えた臭いがフロアに充満して大変でしたね。今でもそのフィルターは残してありますよ。
TGMX:あとでツルさんと何か話したりしたんですか?
西村:今でも「あのときはごめんね」って言われます(笑)。
一同:(笑)
TGMX:じゃあ、今度は俺が火を吹くしかないかなー(笑)。
西村:「TGMXさん、出禁です!」って(笑)。でも、出禁になるバンドって最近は聞かないなあ。
――:出禁になってる居酒屋はないんですか?
TGMX:あるかもしれないけど、わかんないよね。ビールジョッキにおしっこしたことはあるけど。さすがにそれは「買い取ってくれ」って店から言われた(笑)。
TDC:それ、いつだっけ?
TGMX:ものすごい昔だね。ビールとおしっこを見分けるゲームをやって(笑)。もちろん、飲まないんだけどさ。まあ、買い取りっていうのも当然だよね。そのジョッキはしばらく機材車に乗ってた(笑)。
――:あはは!
TGMX:でも真面目な話、激しめなライブじゃなくても、ひとつでもいいから「あの日のあのライブ」って思い出してもらえるようなライブがしたいよね。例えば、会場の電源が落ちたっていうのでも、TGMXが異常にダメだったとかでもいいんですよ。
西村:何かを刻めたら。
TGMX:「あのときのあのライブね!」って思い出に残るのがいいなと。9月にFEVERでやるライブは周年というテーマはありますけど、何かひとつでもすごいことができたらいいですね。