とりとめのなくはない話

その昔、とあるライブハウスの昼の部オーディションライブというのを毎週のようにやっていた。その頃その店はオーディションを通過してOKが出ると夜のブッキングに進めるシステムだった。そんなオーディションを10年弱やっていたのだが、中期(自分がいた時間軸でいう中期)にとあるバンドがオーディションに出演した。スリーピースで見た感じではよくいる青年だった。ビートルズが好きなんだろうなという服装。演奏がうまい訳ではないが楽曲の良さは凄く伝わってきた。あと「態度」分かりやすく言えばふてぶてしい。ボーカルギターが。小生意気に映る時もあった(っつうか今でも小生意気だ)でも俺はそのバンドがやたらと気に入っていた。そしてバンドは頑張った。夜の部に出るために7回ぐらい、約1年ぐらいは昼の部でやってはあーでもないこーでもないというのを繰り返し。曲の良さだけは明らかだった。やっと夜の部へ。動員は全く付かなかった。いつも数人。よくて10人。大体3人。ノルマはない店だったから正直厳しかった。ハウスブッキングは全くお金が稼げなかったのだ。でもそのバンドは常にハウスブッキングで出れるようにと思っていた。実際毎回は出れないので「なんで出れないんすか」と聞く態度もふてぶてしかったが、先天的な愛嬌、裏側の優しさや面白さが会話から伝わってくる。それを素晴らしくナチュラルにサポートするリズム隊二人。サポートしてるつもりももしかしたらなかったと思うが3人のバランスがステージ上でもステージを降りても抜群だった。FEVERが出来る時にそのバンドに「関係者をよんでお店のお披露目やるから出てくれないか?」と頼んだ。OK。嬉しかった。店を見てもないのに出演。そのタイミングでもそれこそ数年LIVEをやってるから名前は知ってるという関係者も数人は居たと思う。実際その時の普通にLIVEをやる際は動員は20人もなかったはずだ。そんなバンドが数日前に野音でワンマンをした。この1年でびっくりするぐらい動員が伸びたのだ。本当に野音はかなり埋まっていた。ぽっと出に見えてもしょうがない。だって1年前はお客さんがいなかったんだから。でも時代が追いついた。あっぱれだ。あっぱれあっぱれ本当に凄い。流行ものならそのうち消えるが,このバンドは未来が見える。手前でなくすっごく先まで見えた。
人を巻き込むチカラ、それがこのバンドにはあった。巻き込まれたからよく分かる。そして曲でも顔でもなにかの引っかかりでバンドはどんどん大きくなる。このバンドはこの1年で全てにおいて巻き込み続けたんだろう。その勢いはそうそう止まるもんじゃなさそうだ。今年来年でどうなるかが楽しみでしょうがない。
野音の時はビールが美味しすぎて泣けるより楽しかった。泣くのは次のFEVER凱旋までとっておきます。

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