ATATA02

まず、Logicを覚えた (岩田)

■ 鰯(岩田)のレコーディングについて

奈部川:俺、一応全員のレコーディングに立ち会ったんだけど、家でやってた健太くんが何をやってたのか、まったく知らないんだけど。

岩田:まず、Logicを覚えた。

鳥居:それ本当すごいわ(笑)。

金田:本当すごいと思うわー。

阿相:まあ、他のメンバーのレコーディングは立ち会っているんで、その場でやり直せるじゃないですか。「今のテイクちょっと微妙だったから」とか。でも鰯の場合は、できたものが送られてくるから、1回合わせてみたらここが合ってないとかがあって、そのやり取りが大変だった。後日、同じ音でもう一回やり直したテイクくださいーとか言うと、面倒くさがって「別に良くねー?」みたいな(笑)。

岩田:そんなことはない(笑)。

池谷:いや、あったよ。最後の方。

金田:つーかLogicを覚えたてで、自宅でレコーディングするのなんて、考えられないです。俺だったらキレるもん。

阿相:まあ無茶だよね。

岩田:でもそれが1番楽かなと。

金田:それにしてもすごいよ。

阿相:そもそも鰯がなんで家でレコーディングしたか説明しておくと、鰯がひとりだけ家が遠いの。で、ATATAのキーボード録りってアンプで鳴らしたりとかしないから、わざわざこっちのスタジオまで来て、会って一緒にやる必要もないよねーって。ベースとギターの録った段階のやつを俺がメールして、鰯はそれを聴きながら鍵盤を考えて、鍵盤のテイクだけもらうっていう。

岩田:アメリカのバンドみたいな。一番現代的に見えない人間だけど、実は現代的だったとゆう(笑)。

奈部川:ギターとかドラムって、いわゆるスタジオを借りて、アンプで鳴らさなければ成り立たないの。なんだけど、キーボードって楽器は、アンプで鳴らす必要がない。線だけ繋げて音が出るから、特にスタジオじゃなくても状況は変わらない。

阿相:だからわざわざ1時間くらいかけて来てもらってレコーディングするくらいだったら、平日は仕事もしてるからさ、空いた時間にやってもらって。その方が時間も気にせずできるし。とりあえずキーボードがなくても支障がない曲とかは同時進行で歌録りもミックスもやってましたよね。

岩田:仕事が終わって、家で朝の4時くらいまでやって、で、また仕事行って、でまた朝4時くらいまでやって。っていうの繰り返してたから、それを終わらせたときの記憶が全くないの。

阿相:ひでーな(笑)。

岩田:で、その間に、ギターとかも変わったのが届けられてるから、それに合わせて考えてたのね、毎回。考えてからレコーディングする、みたいな。ずっとその作業。

阿相:途中でフレーズ変えたのなんだっけ?『The Lust Dance』だよね。

鳥居:『The Lust Dance』もそうだし、俺、多分ほとんど変えた。

金田:ベースもずいぶん細かいの入れたしね。

岩田:そっから考えたからー。

阿相:やり直した時に『The Lust Dance』のイントロがピアノのフレーズになったのはすげー良かったよね、最終的に。

岩田:そうね。

阿相:『Ontologie』はもともともうちょっと尺が長かったじゃん。レコーディングやる前って。どれくらい切ったの?

奈部川:1分半くらい切ってる。

阿相:もうひと展開起きてたよね?

池谷:2番を切るみたいな。

奈部川:最初1番と2番のアレンジが違ったわけ。

阿相:ベースのオイシイところとかありましたよね。たしか俺の作ったトレイラーにはボツになったフレーズが入ってるハズ。

奈部川:そうそう。俺は違和感がありながらも、アレンジが違うから切るに切れねえし、どうしよう、みたいなところだったんだけど、俺がアメリカに行ってる間に、帰ってきたらばっつり切られてたの。で、聴いた瞬間に、あぁ単純に俺がケチってただけなんだなと思った。

池谷:『Ontologie』って、一昨年ナべさんがアメリカ行ってる間にできて、去年また行ってる間にがっつり切ってる。ナベさんいないから勝手に。いるとやらせてくれないから(笑)

金田:切っちゃえ切っちゃえ!って(笑)

阿相:曲が長いって話は前からあったよね...?

池谷:本当はもっと切りたかったけど...。

奈部川:あ!思い出した!本当はもっと切ってあったんだけど、俺が帰ってきて再び足したの。


「マーシーもっと動けよ」ってすごい言われた(金田)

■ プリプロについて

阿相:去年の年末にプリプロっていう、レコーディング前に軽く録ってみる作業があるんだけど、せーのでみんなで1発録りして、それを各自が聴いて、あいつこうやって弾いてるんだな、って。だったら俺こうしよう、みたいな確認作業をやって。そこで一度全部練り直して、本番のレコーディングを迎える。ATATAは今まで音源のプリプロをやってなかったから、言ってしまえば全ての曲が未完成だった。だからあのプリプロのおかげで完成度がかなり高くなったと思う。

鳥居:プリプロは本当テキトーだったよね。

阿相:プリプロは全員がみんなが何を弾いてるか把握してないで始まってた。

鳥居:把握してないでていうか、決めてなかったからね、俺(笑)。

池谷:プリプロだからとりあえず適当に、みたいな感じでやって。でも俺は一応割とそれまでに考えてたけどね。

奈部川:本当はそれが正解だよ。

池谷:そしたらこいつ(鳥居)がマジ考えてなかった。

一同:(笑)

池谷:で、たぶん焦って。「やべー、あいつ(池谷)結構考えてる」って。だからそんときから結構フレーズとかは決めてた。

阿相:ベースラインとかは変わった?

金田:全然変わりました。

岩田:超変わってるよー。

奈部川:『The Lust Dance』に関しては、本当にみんな、直しに直して、直前まで直して直して。

阿相:『The Lust Dance』は化けましたよね。

池谷:ほら、だからやっぱ正解だったよ。リズムをギリギリで変えようって言って。『Minority Fight Song』に雰囲気が近かったから、絶対変えたいと思ってて。

阿相:『Minority Fight Song』が先に出来てライブでやってて、そのあとに『The Lust Dance』ができたんだよね。

池谷:やりやすいんだよね、そのアレンジが。ライブで。

阿相:そしたら、リズムも似てるから。

池谷:リズムも変えて、キーボードも考えてたんだけどのっからなくて(笑)でもこれは絶対変えたほうがいいと思ってた。

金田:「マーシーもっと動けよ」とかすごい言われた。

奈部川:ATATA結成して、アルバム出すまでに、俺、2回アメリカに行ってるんだけど。1回目行く前に投げてたのが『Ontologie』で、クソ長かったの。で、2回目行って帰ってきたら『Ontologie』ががっつりシェイプアップされてて。さらに、それと合わせて『The Lust Dance』のアレンジが決まってたの。俺、何も言ってなかったのに、あんなになっててびっくりした。だって、俺が行かなかったスタジオってその一回だけだよ。

池谷:そのときはまだイントロあれ(変更前)だったよね。あれ、本当ギリギリだったもんね。

阿相:イントロどんなんだっけ?

池谷:俺がすげー恥ずかしい単音のリフ鳴らすやつ。

金田:基本的にAメロと同じで、ギターの印象だけ変わるくらいの。

池谷:あんなイケイケな感じの曲じゃなかった。

奈部川:で、マーシーにとにかくイースタンユースみたいに、ブリブリ動いて弾いてくれっつって。

池谷:俺、どの曲でもそのスタイルでやって欲しいけどね。

阿相:マーシーはそれが見どころだよね。

奈部川:なんかさ、その人の「売り」っていうのは、実は周りの方が分かってんのよ。だから、俺はマーシーはそっちのほうが光ると思ってた。

阿相:マーシーのあのブリブリ具合でさ、ベースすげーいいとか言われてんじゃん。あれ、曲によっては別にマーシーの音ってワケじゃないよね。俺が勝手に作ってるだけで(笑)。ただ、HOLSTEINの後期の曲もそうだけど、マーシーのフレーズは聴いてて面白いから、もっと出したいっていうのはあった。

金田:ベースの音は、本当に周りのベーシストからいいって言われて。言われるたびに「俺の音じゃないです」って俺返してる。(笑)

阿相:好きにやってくださいって言われたから(笑)。でも結構こだわってんのよ? 1曲の中でベースの音、フレーズや展開ごとに音色が変わってる。

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