ATATA04

目の前で歌ってるナベさんの表情を見たり、ディスカッションがあって、それを消化してる(阿相)

■ ミックスについて

阿相:ミックスとかの細かい部分はメンバーにも教えてない事ばかりなんだけども、正直言うと俺は完全に感覚的でしかやってなくて。だから説明しづらい。録る環境もそうだし完成までの経緯とかもちょっと変わってるので、あまり常識的な事にはこだわらずに、みんなが気楽にやりやすい感じでやりたかった。レコーディングに関しては素人なんで。逆に言えば自分の中でセオリーみたいのも全然無いからホントに自由に。

奈部川:たとえばさ、これも俺たちのレコーディングの特殊なところなんだけど、普通のレコーディングスタジオのミキサールームって、ガラス張りで、向こうにエンジニアがいるんだけど、ATATAに関しては、俺が歌ってる目の前に阿相くんがいるの。同じところに。だから阿相くんがしゃべったらその声が入るわけ。阿相くんは歌詞を見ながら録ってるんだけど、それと同時に、俺の息遣いとか表情も見ながら録ってるの。

阿相:ガラス張りだとそこまで相手の心情が分からないんですよ、俺の場合。目の前でナベさんが歌っててその表情を見たりとか、歌い方変えたりしてるのを見て表現の違いを確認したり、こういう表現にしたいとかその場で細かいディスカッションがあって、それを家に持ち帰って消化してからみんなに聴かせるみたいな。

奈部川:そのガラスに阻まれてないで、同じ空気を吸うっていうのは実は大事だったりして。

阿相:録ってる最中は息止めてますけどね(笑)。ギターだったら、隣に池谷がいて、俺は静かーに聴いてるみたいな。その、アンプが鳴ってる同じ音を聞いてる。

奈部川:そういう関係だからこそ、俺が歌詞に詰まったりすると、家で書いてきて完璧だと思ってた歌詞が、録りで歌ってみると合ってねえな、とか。そうすると阿相くんに「この言い回しどうだろう?」って言って。阿相くんがその場で考えた歌詞とか実はあるんだよ。

阿相:言い方変えたりとか、言葉の乗せ方変えたりとかは2人でやりましたね。

奈部川:ボーカル録りに関しては阿相くんとほとんど2人でやったよね。

阿相:鰯とナベさんが書いたリリックがあって、でも実際歌ってみると乗らないとかリズム的に厳しいとかがあって、じゃあこういう言い回しにしたら?とかは結構やりました。ATATAで面白いのは歌詞は録った段階ではまだメンバー全員知らないの。ナベさんと俺しか知らない。だから、曲が大体できたあとに、ある程度出来上がった曲と歌詞をみんなに送るの。そうすると、メンバーは、あ、こういう歌を歌ってるんだ!歌詞やべーな!って。

奈部川:いつもすぐ歌詞は書かなくてギリギリになって書くから、どういうリズムがいいんだろうって、探りながらインチキ英語で歌って、それがかっこいいと思ったら、そのインチキ英語に合うリズムで日本詞を書いてくから。

阿相:ATATAに関しては、歌がなくても完成できるくらいのモノをオケで作ってるつもり。歌が無くても全然成り立つように。でもその時点では各楽器のフレーズが散漫に聴こえてたりもしてて。それで結局ナベさんが歌を入れると全部が馴染んでしまうっていうか。不思議な感じすねいつも。

岩田:曲ができて、ナベさんからその曲の歌詞の「テーマ」が送られてきて、歌詞を考えるんだけど、それにリズムがあったりすると、そのリズムに合うような言語をつないでいったりするときもある。

奈部川:たとえば、ラップの世界だとライム、韻ってのがあって、曲を聞かなくても言葉をつないで成立するの。で、俺と健太くんはそれができてるから。

阿相:言葉にするとどうしても胡散臭くなっちゃうんだけど、ライブでその曲を聴いたインスピレーションだったり、ナベさんがそうやって持ってきた詞の内容を見たりして、自分の頭の中で絵を描くみたいな感じでミックスしてて。自分の頭の中でその曲から見えてくる情景みたいなものを描いて、うまいこと音に乗せ替えるようなイメージで。
例えば『Brass And Nickel』だったら、多摩川の土手で夕焼けを見ながら歩いている絵が浮かんでて、実際にそういうシチュエーションで聴いたら良いかもって。だからミックスで煮詰まったら1人で近所の川沿いを散歩したりしてた(笑)。ミックスした音を聴きながら。そうすると、あ~ココをもっとこうしようとか、コレはイメージ通りできた、とかいろいろ見えてくる。今回の9曲はそれぞれテーマがあるように、情景というか雰囲気がどれも違うように作ったつもりなんで。


このバンドだったら一発録りできるような気がする(池谷)

■ レコーディング方法について

阿相:今回のレコーディングはこれで良かったとして、次はこうすればいいなっていうのはあるよね。俺、次のレコーディングはみんなでいっせーのーせでもいいと思うよ。

鳥居:俺もそう思う。

池谷:俺が一発録りを嫌いだった理由って、結局みんながバラバラのことやって、どれが正解かわかんなくて「じゃあとりあえずこれを正解にしようぜ。」っていう、それが嫌いだったの。もたってるとか、遅い速いとか。

金田:基準がないからね。

池谷:でもみんなそれで正解が一緒だったらいいんだよ。前(HOLSTEIN)はそうでも、今はみんなが主張曲げないし、それが正解でいいやって思う。だから一発録りは、このバンドだったらできるような気がする。

鳥居:一発録りのほうが向いてるよ。

阿相:ATATAはそうかなって思う。

鳥居:やってみたらさ、クリックに対するタイム感がみんな違うんだよね。

阿相:そうそう。それが普段やってるグルーヴと違うんだよ。だから、もたったりするのも、俺は、それはそれでいいと思うんだよね。つっこんじゃったり。マーシーとかよくつっこむけど。

金田:でも俺、間奏のもたりかたは正直デモのほうが好きなんだよね。あれはクリックじゃ出せない。

阿相:上手い演奏と気持ちよい演奏って実際違うものだよね。

鳥居:えー。俺はあれ気持ち悪くなる。

池谷:俺らはたぶんそうなんだよ。

金田:かっちりしてっからか。

池谷:かっちりしてるっていうか、そこのキメに引き摺られ過ぎてる感じがするんだよね。

金田:あー、フレーズによるのかもね。あのギターのフレーズじゃ確かに嫌かも。

池谷:明らかに、キメだから遅くなってるというか。

金田:でもあれは俺も好きだし、デンカも言ってたし、あれはあれのほうが気持ちいいんだよ(笑)!

阿相:『Fury Of The Year』についてはそうかも。デモはイキイキしてる感じはするよね。

鳥居:全体のグルーヴはそうだけどね。

阿相:GHQとかに関しては、俺はアルバムで撮ったテイクの方がいいかな。ちゃんとまとまってる。

金田:デモ録ったときから若干そんな感じありましたしね。

阿相:まぁあの時は、気持ち一発でやってるみたいなところあったから。せっかくギターとかがちゃんと右左で振ってるんだけど、ゴチャゴチャしてるから、アルバムver.のほうが聴きやすくていいのかな。だから次やる曲はどうやって録るか、もうすこし詰めれるんじゃない?


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